失敗しないIBM Watson Explorerの導入と活用法・後編

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前編の記事では、IBM Watson Explorer (以下、WEX)の導入には、課題設定が重要だと述べました。

 

それでは、課題設定が適切になされていない場合、どうなるのでしょうか。また、もしその状況になっている場合、どうすればよいのでしょうか。

課題設定の失敗例と対応策

ケース1:活用されていない非構造データが大量にあるので、取りあえず何かに使いたい

このケースは、非常によくあります。しかし、このまま進めようとすると、データを取りあえずツールにインポートして、なんとなく分析のようなことをして、基準のはっきりしないまま、ぼんやりと結果を評価することになります。これでは、具体的なビジネスの成果に結び付けられません。

この場合、いきなりWEX導入・分析するのではなく、まず課題設定のための取組を行い、成功パターンに近づけます。

当社サービスの場合、専門コンサルタントが、「お客様ヒアリング」「事例紹介」「WEXデモ」を通じて、お客様がWEXで何をしたいか、WEXで何ができるのかを具体的に理解した上で、適切な課題を設定します。

ケース2:どんなレベル・粒度の課題を設定すればいいのかわからない

いざ課題設定をしようとして、どのレベル・粒度の課題を設定すればいいのか悩むことがあります。その場合は、「その課題は、テキストデータの中に解決策が眠っているか?」と考えてください。

前編で、「<テキストデータから解決アプローチする課題>を設定してから導入を開始すること」が、1番大切だと述べました。これは、「<テキストデータの中に、解決策が眠っていると考えられる粒度>で課題を設定する」という意味です。

例えば、「製品不良が発生した時の被害を最小限に食い止めたい」というように、課題が大きすぎる場合は、テキストデータが対応できる粒度まで、課題を掘り下げることが必要です。掘り下げると、「悪評対策」や「クレーム対応」といったキーワードが出てきます。「悪評対策」にフォーカスすると、「SNSにおける悪評への対応が遅い」といった課題が考えられます。この粒度を細かくした課題を、解決アプローチする課題として設定します。

 

本番導入までの標準的な流れ

このようにして課題設定ができたら、WEX導入を検討し、本番導入に向けて進めていきます。

課題設定の後、必要なデータを準備します。そして、WEXを利用してPOCProof of Concept:概念実証)を行い、今回の取り組みが本当に成果を生み出すか検証します。その結果、WEXが適切に成果を出すことが確認できたら、本番環境に導入し、実際にWEXの設定の作りこみをします。また同時に利用者のトレーニングなど、運用体制の整備を行います。

最後に

WEXは強力なツールです。

それを活用し最大の成果を上げるために、WEXを知り、課題を設定し、WEXのスペシャリストとともに、ぜひ、さまざまなビジネスシーンで活用をしていただければと考えております。

もしWEXに関してご相談がある場合は、こちらのWebフォームからご連絡ください。

お問い合わせ先

執筆者プロフィール

Imamura Tomohiro
Imamura Tomohirotdi ソリューションコンサルティング部
京都大学 大学院理学研究科 数学・数理解析専攻で学び、tdiでSE、営業を経験してきました。現在は、広くAIやデータ分析に関わる業務に、何でも屋として携わっています。
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