AWS認定試験を6冠するための受験順と勉強法

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以前、以下の「AWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナルの新試験に合格した話」という記事を書きました。

その最後に「DevOps試験も合格したいと思っています」と書きましたが、その後無事DevOpsエンジニア試験に合格し、合計6つの試験に合格することが出来ました。AWS界隈では6冠というそうです。以下の図はAWS認定のページから引用させていただいた試験の図です。ちょうどこの灰色の部分にある試験全部に受かったことになります。

そこで、今までの経験を踏まえて、これからAWS6冠を目指している人向けに、役立ちそうなことを書いてみたいと思います。前回の記事と若干重なる内容もありますがご容赦ください。

試験を受験する順番

試験を受ける順番は、個人的には以下の一択ではないかと思います。

  1. クラウドプラクティショナー
    • AWSの超基本を問われる試験なので、一番最初に受けます。
  2. ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)
    • アソシエイト試験3種の中で、教材が一番豊富に存在するため、勉強しやすい試験です。これを2番目に受けます。
  3. SysOps
    • SAAと試験範囲が被っている範囲が多いので、これを3番目に受けます。
  4. ソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)
    • AWS資格の中で最難関と言われている試験です。アソシエイト試験3種のうち、まだDeveloperを取得していませんが、SAPとDeveloper試験は出題傾向が全く違うので、気にせずこれを4番目に受けましょう。
  5. Developer
    • Developerは出題傾向が今までに受けた試験と全く異なります。なので、SAPに合格したからといってすぐに合格できる試験ではなく、またイチから勉強します。これを5番目に受けます。
  6. DevOpsエンジニア
    • DeveloperとSysOpsの上級に当たる試験です。これを受ける時にはSysOpsの試験範囲を忘れかけているかもしれないので、復習から始めましょう。SAPと同じプロフェッショナル試験だけあって、これも難関。しかしSAPよりは少し易しいと思います。これを最後に受けます。

各試験の詳細と勉強方法

それでは、順番にそれぞれの試験と勉強方法を見ていきましょう。

1.クラウドプラクティショナー

AWS初心者用の試験で、これが一番簡単です。覚えていれば解ける問題中心なので、とにかく暗記、暗記です。

AWSが無料トレーニングを公開しているので、まずこれを読みましょう。また、試験対策本を一冊買って読みましょう。「AWSとは何?」「AWSのいいところは?」「何ができて、何ができないの?」「責任分界点は?」「代表的なサービスとその特徴は?」等が必要な視点です。

合格したら、次の試験を受けましょう。

2.ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)

試験合格のための教材が多いので、勉強しやすい、合格しやすい試験だと言えます。

試験対策本は数種出版されているので、自分に合う本を選び、何度も読みましょう。基礎的なサービス(EC2とかS3とかRDSとか)は触ってみると理解が深まるので、AWSアカウントを作成し、1年間の無料利用枠内で実際に使ってみましょう。あと、AWSのサンプル問題や模擬試験を解くことも忘れないようにしましょう。サンプル問題や模擬試験から出題されるケースもあるようです。

実はAWSの試験に合格すると、特典として「模擬試験を一度無料で受けられるバウチャー」が貰えます。クラウドプラクティショナーに合格しているのであれば、バウチャーを1つ持っているはずなので、それを使って模擬試験を受けましょう。模擬試験は何度受けても内容が変わらないので、一度受ければ十分です。模擬試験トークンはAWS training and certificationの「特典」から入手することができます。

試験の難易度については、クラウドプラクティショナー試験より上位の試験だけあり、暗記だけでは解けない問題となっております。しかしそれぞれのサービスの特徴を覚えていて、冷静に考えれば解ける問題ばかりです。

合格したら、すぐに次の試験を受けましょう。何故なら、SAAとSysOpsは試験範囲がかなり被っているのです。頭に今まで勉強したことが残っているうちにSysOpsにチャレンジしましょう。

3.SysOps

試験本で勉強するのに慣れきってしまった人はSysOpsの勉強がつらいと感じるかもしれません。このあたりから試験のための情報がガクッと減るためです。試験対策本がほとんどない!2020年1月現在、SysOps試験に対応している試験対策本が一冊あるのですが、これだけではちょっと足りないかなというのが本音です。(もちろん試験対策に役立つ本です。私は買いました。)しかし勉強しないとSysOps合格はできませんので、AWSのBlackBeltのサービス別資料を活用しましょう。これを読めばかなり得点力が上がります。というかBlackBeltはAWS試験を受けるのであれば必ず読みましょう。SysOpsとDeveloperはBlackBeltを読み込めば合格レベルに達します。

また、試験範囲のサービスの「よくある質問」にも目を通しておきましょう。絶対に試験に役立ちます。しかし、AWSのドキュメントはとにかく読みにくい。日本語訳がちょっと下手です。そんな時はキーワードでググって、たくさん出てくる技術ブログとか解説記事を読んだ方がいいと思います。

ドキュメントを読み漁った後は、問題を解く練習をしましょう。Udemyのコースを購入するのがいいと思います。有料ですが、頻繁に開催されるセール期間中は約半額になりますので、タイミングを見計らって買いましょう。また、コースによって質がかなり違うので、★の数やレビューを参照して高品質なものを選びましょう。★は4つ以上のものであれば安心です。

4.ソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)

ここでAWS試験の最難関、SAPを受けます。

SAPは本当に難しいです。大事な事なのでもう一度言います。SAPは本当に難しいです。詳細は以前私がSAPに合格した直後に書いたこちらの記事をご覧ください。

この試験は一度落ちたくらいで滅入ってはいけません。私の周りにSAPに一度で受かった人はいません。(どうやったらあの試験を一回で突破できるんでしょうね…?)何回か落ちるくらいの気持ちで試験に臨んで丁度良いと思います。

そうなると気になるのが受験料です。SAP試験の一回の受験料は3万円(プラス税)もするので、落ちるとお財布に大ダメージがいくこと必至。

そこで役に立つのが半額クーポンです。AWS認定試験に合格すると特典として、試験を半額で受けることができるクーポンが1枚発行されます。すでにクラウドプラクティショナー、SAA、SysOpsに合格しているのなら、半額クーポンを3枚持っているはずです。これをここで惜しみなく使いましょう。半額クーポンは模擬試験無料バウチャーと同じくAWS training and certificationの「特典」から入手することができます。見逃さないように!

5.Developer

普段の業務でCI/CDとか、Infrastracture as Codeとかに親しんでいる人には簡単かもしれませんが、そうでなければ苦戦すること確実なのがDeveloper試験。
いままでに試験に出たことがないサービスばかりが試験範囲になっていますので、気を引き締めて対策をしましょう。
勉強方法はSysOpsと同様で、BlackBeltと「よくある質問」の熟読、Udemyも活用しましょう。
SAPの試験をくぐり抜けてこれた人であれば「Developerは問題文短いし、聞かれていることは単純、楽勝!」と思えると思います。

6.DevOpsエンジニア

いよいよ専門知識を除くAWS試験の最後となるDevOpsエンジニアです。ここまで来たら後は分かると思います。DevOpsエンジニア試験は「DeveloperとSysOpsを合わせた試験範囲、SAPと同じ難易度」です。しかし、実際に受けてみた感じでは、SAPよりもDevOpsエンジニアの方が易しい印象です。問題文がSAPより短めだからでしょうか。試験範囲が狭いからでしょうか。(試験範囲が狭いというのは私の主観です。)
もうここまで来れたら大丈夫。今まで通り勉強して、受験して、そして合格しましょう。

以上が私が考える理想的なAWS資格取得方法です。

有効期限や更新は?――合格したその後

試験に合格したら、その日から3年間有効になります。つまり、3年経ったら失効します。失効する前に、再度試験を受けて合格すれば、延長されます。

アソシエイト試験とプロフェッショナル試験に合格している場合、プロフェッショナル試験に合格した段階でアソシエイト試験の有効期間が延長されます。つまり、SAAに合格してから1年後にSAPに受かったとします。そうするとSAPに合格した日から3年間、SAPの資格が有効になるのはもちろんですが、SAAの有効期間も同じく3年間延長されます。

DevOpsエンジニアの場合は下位試験がSysOpsとDeveloperなので、DevOpsエンジニアに合格すればSysOpsとDeveloperがどちらも3年間延長になります。

そして、クラウドプラクティショナーは、どのアソシエイト試験とプロフェッショナル試験に合格しても、その時点から3年間延長になります。

つまり、一度6冠したら、3年後にSAPとDevOpsエンジニアだけ再試験して合格すれば、残り4つも更新されます。6つの試験を全部受け直さなくていいのです。嬉しい…!

試験勉強から試験本番までに気をつけたこと

どの試験を受けるかに関係なく、私が心掛けたことを以下にまとめました。

  • 机に座った時に見えるところに目標を書いて貼りました。(SAP試験、8月までに合格!等。単純ですが、やる気が出ます。)
  • 勉強のために無理はせず、仕事で疲れた時とか体調が悪い時は休む。無理して仕事も勉強もダメになることがないよう気を付けました。
  • 快適な勉強環境を整えました。椅子は快適なものを使う。気が散らないよう、集中できる環境を整えました。
  • 間違えた問題や、忘れそうなことをまとめたノートを作り、まめに見直しました。試験直前には最初から最後まで見直し。かなり得点を上乗せすることができました。
  • 頭が疲れていない午前中に試験を受けました。頭がちゃんと回っている状態で試験を受ける作戦です。(その代わり、前日は早く寝る必要があります。)
  • 試験前には好きなものを食べました。お腹が空くと集中力がなくなるタイプなので、その対策です。気分が上がってノリノリで試験を受けることができました。単純ですね。
  • 協力してくれる家族にまめに感謝を伝え、たまにお土産を買って帰りました。意外と家族が気を遣ってくれてたりするので、ケアが必要です。

これからAWS試験を受けようとしてる方のお役に立てれば幸いです!

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執筆者プロフィール

Chiba Kumiko
Chiba Kumikotdi デジタルイノベーション技術部
開発プロジェクトの技術支援や技術の検証に従事しているインフラエンジニアです。Unix/Linuxを扱う機会が多く、構築から運用保守まで一通り携わった経験があります。好きな言葉は「試験運用」。
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