見通し内環境での遠隔監視制御システムの無線通信距離を測る

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見通し内環境における無線センサの通信距離をテスト
遠隔監視制御システム・EA2シリーズ
Sub-GHz無線とその特長
遠隔監視制御システム・EA2シリーズの通信テスト
無線センサ通信テスト結果
最後に

見通し内環境における無線センサの通信距離をテスト

tdiグループの１社である当社TDIプロダクトソリューション株式会社では、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのWebブラウザから施設内の温度、湿度、CO2濃度等の遠隔監視が行える「遠隔監視制御システム」を提供しています。

遠隔監視制御システム｜TDIプロダクトソリューション株式会社

https://www.tdips.co.jp/solution/wsn_agri

TDIプロダクトソリューション株式会社の遠隔監視制御システムのご紹介です。手元のスマートフォン等で温度、湿度、土壌水分、CO2濃度の遠隔監視ができます。カメラによりハウス内の状態の動画観測や、夜間侵入検知なども可能です。

www.tdips.co.jp

このシステムではゲートウェイと各種センサを取り扱っています。そして、ゲートウェイと各種センサ間は無線にてデータ送受信をしています。

この無線による通信距離が、施設内ではなく、屋外で障害物がない見通し内環境ではどの程度のものなのか、テストをすることにしました。

遠隔監視制御システム・EA2シリーズ

あらためて、本テストの対象となる遠隔監視制御システムをご紹介します。

このシステムでは、通信距離30ｍ以内で使用する小規模な施設向けのEA1シリーズと、通信距離500ｍ以内で大型ハウス・圃場・倉庫などにも適したEA2シリーズがあり、本テスト対象はEA2シリーズです。

EA2シリーズのラインアップは、ゲートウェイのほか、温度湿度センサ、温度湿度CO2センサ、土壌水分ECセンサです。

Sub-GHz無線とその特長

EA2シリーズの無線システムには、いわゆるSub-GHz無線（920MHz/特定小電力）を使用しています。

920MHz帯の特長には、以下が挙げられます。

通信距離が2.4GHz帯（ZigBeeやWi-Fiなど）と比較して約10倍
伝送速度は400MHzの特定小電力の10倍以上
2.4GHzと比べて電波干渉の影響が少ない
回折特性（電波の回り込み）と障害物に強い

このような特長から、Sub-GHz無線はフロアを跨いだ屋内や屋外での利用に適しています。

Sub-GHz無線の代表規格「Sigfox」「LoRaWAN」「Wi-SUN」と、EA2シリーズで採用している無線システムの比較がこちらです。

項目	Sigfox	LoRaWA	Wi-SUN	EA2シリーズ
キャリア周波数	920MHz
通信速度	100bps	250-50kbps	50k-400kbps	50kbps
通信距離	～50km	～15km	～1km	～ 500m ※実際の使用環境を想定した値

項目

Sigfox

LoRaWA

Wi-SUN

EA2シリーズ

キャリア周波数

920MHz

通信速度

100bps

250-50kbps

50k-400kbps

50kbps

通信距離

～50km

～15km

～1km

～ 500m

※実際の使用環境を想定した値

EA2シリーズの通信距離は、他と比較して短いですが、それは実際の使用環境（圃場や、大規模ビニールハウスなど）を想定して設定しているためです。屋外で障害物がなければ、通信距離は長くなります。

遠隔監視制御システム・EA2シリーズの通信テスト

さて、本題の屋外での通信距離測定テストです。

実施場所は、「長距離で障害物がない」という条件に適した、神奈川県・新江ノ島水族館から茅ケ崎漁港までの海岸。道のりは9km弱ですが、直線距離は7.2kmです。新江ノ島水族館西側付近を送信点として、各種センサを設置します。そして、辻堂海浜公園、茅ケ崎ヘッドランド、茅ケ崎漁港、それぞれからセンサデータを受信できるかテストします。