RPA「UiPath」Unattended Robot 障害発生時の処理フロー

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RPAツール「UiPath」のUnattended Robot

RPAはずいぶん浸透してきました。すでにRPAを導入済という企業の方も多いでしょう。

RPAを導入する際、スモールスタートから業務範囲を拡充されるパターンが多いかと思います。その場合、最初はユーザー業務の一部をロボット処理に切り出します。短時間で終わる処理が多いため、ユーザー自身がロボットの開始命令後の処理と結果を見守ります。そして、ロボットの処理実績が増え、ロボットに任せる業務範囲を拡大していくと、処理時間が長くなります。そうなると、何度も成功している処理をユーザーが見守る必要性は低くなるので、ロボットを別環境で実行して、ユーザーは結果だけを確認する形式にしていきます。

そこで「自動実行型のロボット」が登場します。自動実行型ロボットは、状況を監視して処理を自動で開始でき、ユーザーが見守る必要はありません。

RPAソフトウェアの世界的ベンダーであるUiPath株式会社が手掛けるRPA製品「UiPath」では、「Unattended Robot」という自動実行型ロボットを提供しています。

Unattended Robotの障害発生に備える

ユーザーが見守る必要がない便利なUnattended Robotですが、万が一障害が発生した場合、何も工夫なしではその原因追及が困難です。障害の発生確率が低い場合、発生するまでひたすら再実行するので生産性が悪くなります。その手間を回避するため、障害発生時にその対策の手がかりとなる情報を保存できる処理フローを考えたいと思います。

様々な障害がありますが、今回はRPA独特の障害である「画面を操作できない」という事象が発生したと仮定します。これは、画面の操作対象を設定していたけれど「操作対象に該当するものが存在しなかった」という障害です。

Unattended Robotは「次回処理が開始可能な状態」で終了させる

まず、はじめに考慮しなければならないのは、Unattended Robotは自動で処理を繰り返し実行するため、障害発生時にも「次回の処理を開始できる状態」にして終了する必要があります。

例えば、UiPath インストール時に用意されているサンプル処理では、障害発生時にスクリーンショットを撮影して使用したアプリケーションを終了します。アプリケーションを終了させるのですから、次の処理には影響がありません。

Webページはソースを取得する

UiPathのサンプル処理でも、スクリーンショットを確認すれば障害の状況を多少理解できると思いますが、より情報を取得できるようにしましょう。

もし処理の対象画面がWebだった場合は、HTMLソースや画像を取得できれば、障害の原因を深く探れるのではないでしょうか。

アプリケーション画面はセレクター情報を取得する

Webではなく、アプリケーションなどの画面の場合は、対象画面のUiPathのセレクター(ロボットに対象画面の項目を指示するための情報)設定情報を取得するとよいでしょう。セレクターが指す項目をハイライトして対象画面のスクリーンショットを保存すれば、障害対策に必要な情報を記録できます。

Unattended Robot 障害発生時の処理フロー

前述の要素を踏まえた障害発生時の処理フローです。

障害発生時の処理フロー図

※【参考】フローで使用するアクティビティ
 ・セレクターの取得:Find Children(子要素を探す)
 ・セレクターのハイライト:Highlight(ハイライト)

まとめ

他のシステムを使うことが多いRPAの作成では、障害発生を十分に考慮しているため、発生する障害は極めて稀なケースが多いのではないでしょうか。再現性の低い障害が発生したタイミングでHTMLや画面の情報を取得することにより、障害対応を効率化する一助となれば幸いです。

なお、tdiはUiPath株式会社とリセラー契約を締結し、UiPath製品および導入支援サービスの提供を行っています。

 

UiPathの導入をお考えの際は、こちらからお問い合わせください。

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執筆者プロフィール

Nakayama Tooru
Nakayama Toorutdi パナソニック事業部
開発や運用の業務経験を経て、現在はRPA分野で活動。
自動化による働き方改革に貢献できることを楽しく感じている。
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