次世代KYC/AMLプラットフォーム「Weaver」のトレーニングを受けてみた

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FATF第4次対日相互審査

皆さんは「FATF」という言葉をご存知でしょうか?

FATFとはFinancial Action Task Force on Money Launderingの略称であり、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策の国際基準(FATF勧告)を策定し、その履行状況について審査を行う多国間の枠組みを指します。

日本においてもFATFによる第4次対日相互審査が2019年11月に実施されました。その結果が2020年8月頃に公表されることになっていましたが、2020年9月25日現在未公表です。ただ、いずれ公表されることでしょう。

日本はマネーロンダリング対策(AML: anti-money laundering)やテロ資金供与対策(CFT: combating the financing of terrorism)が十分ではないと言われており、審査結果の公表を受け、各金融機関に対してより厳しいKYC/AML(KYC: know your customer 本人確認プロセス)が求められると考えられます。

日本国内の各金融機関では、既に何らかのKYC/AML製品を採用しているか、自社のシステムを構築・改修して運用しているかのどちらかが多数であると推測されますが、今後求められるKYC/AMLプロセスでは、既存の業務プロセスのみでは不足する可能性があります。積極的に顧客情報を収集し、また、自行のサービス内容と顧客との関係性からリスク分析を行うこと(リスクベースアプローチ)によって、KYC/AMLを実施することが求められるかもしれません。

そうなると、既存の製品や自社のシステムでは機能が不足しているため、見直しや大幅な改修が必要になることが考えられます。

次世代KYC/AMLプラットフォーム「Weaver」

そこで、次世代のKYC/AMLに適合するプラットフォームとしてCobwebs Technologies社の「Weaver」という製品に着目し、実際にオンライントレーニングを受けてみましたので、ご紹介したいと思います。

Cobwebs Technologies 会社ロゴ

Weaver ロゴ

Weaverはクラウド型のKYC/AMLプラットフォームなので、Chrome等の通常のブラウザからログインして利用します。その他ソフトウェア等のインストールは不要です。ブラウザがあれば利用を開始できます。

ログイン画面

主機能は大きく分けて検索、分析、監視と3つありますが、ここでは検索と分析についてご紹介したいと思います。

Weaverの検索機能

まずは検索機能について、基本的な制裁リスト(金融庁や米国財務省等の様々な機関が公開する反社、テロリスト等の一覧)との突合を試してみます。検索バーに人名を入力して、その人物が制裁リストに記載されているか確認します。

検索バー

どうやらこの人物は制裁リストに名前を記載されている危険人物のようです。詳細な情報を確認します。

人名検索 検索結果

詳細情報ではその人物がどの制裁リストに記載されているか確認でき、リンクからソース元へ飛ぶことができます。この様に特定の人物が取引相手として問題ないか検証できます。

また、制裁リストだけでなく、PEPs(Politically Exposed Persons 政府等において重要な地位を占める人物)を確認することもできます。

下記画像では住所情報をマスキングしていますが、Weaverはダークウェブを含むインターネット上のあらゆる「公開情報」を収集しているので、表示される検索結果はインターネット上のどこかで公開されている情報です。

Weaverの分析機能

次に分析機能を試してみます。分析機能では特定の人物や法人のリスク判定のほか、関連するキーワードや繋がりのある人物の情報を視覚的に確認することができます。

リスク判定はユーザ自身で登録する辞書情報に記載された単語がどの程度ヒットするかで判定されます。

前述のリスクベースアプローチを実現しており、顧客情報のみでリスクを判定するのではなく、自社のサービス内容によってどのような事柄をリスクと見做すかが変わるということですね。

関連するキーワードや繋がりのある人物の情報はグラフで視覚的に把握できます。調査対象がどの人物・法人に関係性があり、どのようなキーワードと一緒に登場するのか分かります。

下記画像の表示はかなり細かいですが、より関係性の深い人物・法人に絞って表示することもできます。

リレーショングラフ

おわりに

オンライントレーニングを受講して、WeaverはKYC/AMLプラットフォームとして素晴らしいと感じました。一方、他の技術とコラボレーションさせることで、KYC/AML業務をより省力化、効率化できるのでは?という印象を持ちました。例えば、RPAを活用して業務自体を自動化する、ETLツールを使って既存の顧客データと連携する、チャットボットを利用して検索を簡易化する、OCRで自動読み込みした書類データをもとに検索する等がアイデアとして考えられます。

FATF第4次対日相互審査の結果公表に備えシステム対応を進めている金融機関が多いと思いますが、新しく求められるKYC/AMLプロセスにどう対応していくのか、私も調査・検討を続けたいと思います。

KYC/AMLと他の技術のコラボレーションイメージ

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。

お問い合わせ先

執筆者プロフィール

Kubota Masashi
Kubota Masashitdi 東日本金融システム部
主にJava/JavaScriptを中心としたWebアプリケーションの開発・保守に従事。
新たな知見を得るべくAWS、RPA、KYC/AML等にも取り組んでいます。
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