HRテックの可能性――人事の職人技をテクノロジーで実現

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HRテックとは

近年、人事の世界ではHRテック(Human Resources/人事 + Technology)を名乗るサービスが次々に登場しています。

人事部の方々の間でも注目度が高まっているようで、私もクライアントに「いま流行しているHRテックとは、結局何のこと?」と質問を頂くことがあります。

言葉の定義にもよるので一言にまとめるのは難しいのですが、私はこう答えることにしています。

「HRテックとは、人事の職人技を再現するテクノロジーです」

人事とテクノロジーの関係

人事の世界では以前からITを活用したシステム化が進んできました。

社員名簿の管理や給与計算など事務的な作業については、大きな会社であれば当たり前にシステムを使っています。

その反面、事務作業以外の分野は、長らくシステム化不可能と考えられてきました。

具体的には、人財育成や異動計画、採用など、人間に直接関わる部分です。これらの業務には優秀な人事部員の職人技が必要不可欠とされてきたのです。

例えば、ベテラン人事部員の

  • 従業員全員と顔見知りで、成績と能力が頭に入っている。
  • 社内の暗黙の出世コースを熟知しており、各役職者の後継者を即答できる。

といった能力は名人芸の域に達しており、人事部の若手社員に継承することにも苦労している状態。システム化など夢のまた夢と思われていました。

しかし、テクノロジーの進化によって、状況は変わりつつあります。

職人技の再現が可能に

今の時代、顔写真もプロフィールも出世コースも、クラウドシステムに保存して自由に管理することが可能です。従業員のITリテラシーの向上に伴い、自分の情報は自分で入力できるようになりましたし、従来は検索が難しかった大量のデータや自然言語も、コンピュータの機能向上やAIの活用によってある程度扱えるようになってきました。

こういったテクノロジーの高度化によって、人事の世界では次々に「今までシステムではできなかったこと」ができるようになりました。

システム活用の成果としては、以下のような事例が報告されています。

  • 新卒採用時の評価と数年後の評価を比べることで、「我が社で活躍しやすい学生の特徴」を特定する。
  • eラーニングの期日と提出率の相関を調べることで、「何曜日を期日にするとeラーニングの受講率が上がるのか」を明らかにする。
  • 社員の異動歴と成績を統計処理して、「次の部長にふさわしい経歴と実績を持つ人ベスト3」を自動選定する。

このように、今までベテラン人事部員が無意識に行っていたことをシステム上で実現できる時代が到来し、この分野のサービスが次々とスタートしてHRテックと呼ばれるブームになっているのです。

tdiでは、私が所属するソリューションコンサルティング部人財グループを中心に、クライアントの組織にテクノロジーの力を取り入れるサポートをしています。

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執筆者プロフィール

Okada Shin
Okada Shintdi ソリューションコンサルティング部
タレントマネジメントシステムの導入を担当しています。組織の中で人財の力を引き出す方法を考え中。Cornerstone認定導入コンサルタント(LMS/EPM/SMP)、経済産業省認定ITストラテジスト。趣味は読書と合気道。
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