クラウドサービスを支える「ユーザーコミュニティ」のすごい仕組み――タレントマネジメントシステム活用編

Pocket

いくつかの先進的なクラウドサービスでは、クラウドサービス本体とは別に「ユーザーコミュニティ」と呼ばれるSNSに近いサイトが提供されています。「コミュニティ」と言っても、単なる交流サイトではありません。クラウドサービス全体を改善する工夫が組み込まれた、よくできた仕組みが作り上げられているのです。

今回の記事では、日本では馴染みの薄いユーザーコミュニティの仕組みを解説します。

なお、様々なクラウドサービスでユーザーコミュニティが提供されていますが、以下は私が担当してきた複数のタレントマネジメントシステムを例にご紹介します。

ユーザーコミュニティとは

ユーザーコミュニティの見た目はFacebookなどのSNSに似ていて、「クラウドサービスのユーザー」「ベンダーの社員」などがメンバーとして登録されており、プロフィールやグループなど、SNSとしての基本的な機能がそろっています。

一般のSNSとの大きな違いは、メンバーが同じサービスを使う有識者ばかりだということ。そして、メンバーが持っている知識やノウハウを共有する仕組みが整っていることです。「ユーザー会のオンライン版」と言うとイメージしやすいかもしれません。

ユーザーコミュニティ、3つのすごい仕組み

ユーザーコミュニティには以下の3つの代表的な仕組みがあり、クラウドサービスを支えています。

1.疑問を解決する仕組み

ユーザーコミュニティの中にはQ&Aグループがあり、質問をすると他のメンバーが回答してくれます。回答者は多くの場合ベンダーの技術者ですが、時には他のユーザー企業の担当者の場合もあります。教え合う文化がユーザーコミュニティ内に根付いているのです。

また、私がよく使う方法は、タレントマネジメントシステムを使う中で疑問が出てきたら、関連する単語で過去のQ&Aを検索することです。そうすると、私と同じ疑問をもったインド人が3年前に投稿したQ&Aがヒットして疑問が解決したりします。タレントマネジメントシステムで扱われる人事の分野は、制度面では国ごとに相違が大きいですが、操作方法や研修受講の考え方などは世界共通なので、世界中の事例が参考になります。

2.ユーザーのアイディアをクラウドサービスに反映する仕組み

ユーザーコミュニティには、「この機能を××に変えたほうが使いやすいのではないか」といった改善のアイディアを投稿するグループがあります。

このグループの特徴は、アイディアに「いいね」をつけられることです。「いいね」の数はランキング化されており、上位に入ったアイディアから優先的に実装されます。こうして選び抜かれたアイディアを実装していくことで、ユーザー全体にとってプラスになる機能改修が行われる仕組みになっています。あるクラウドサービスでは、ユーザー発のアイディアが1年間に約300個採用されていました。

3.ベストプラクティスを共有する仕組み

ユーザーコミュニティ上には、ベンダー社員やユーザーから投稿された、クラウドサービスの使い方の成功事例が掲載されています。新たにクラウドサービスを使い始めたユーザーは、自分が使いたい機能について検索し、「自社の業種にマッチする使い方」「我が国で制度対応のために必要な設定」といったベストプラクティスを簡単に手に入れることができます。ゼロから考えることに比べれば、大きな工数削減です。

この3つの仕組みが回ることで、クラウドサービスの機能とサポートの品質がどんどん向上していくようになっているのです。

ユーザーコミュニティ活用が不可欠に

先進的なクラウドサービスのユーザーは、ユーザーコミュニティを自在に使いこなすことを求められます。

ベンダーとしてもユーザーコミュニティありきのサポートになるので、従来型のクラウドサービスに比べるとサポートが手薄になります。また、オンラインコミュニティは世界中のユーザーが参加しているので、使われる言語は主に英語です。

「まずは自力で英語の情報を探してください」というサポートの仕組みは、慣れるまでは戸惑うことが多いかと思います。そんな時は、tdiにご相談ください。状況に応じて、ベンダーのサポートに+αした保守サービスをご提供いたします。

お問い合わせ先

執筆者プロフィール

Okada Shin
Okada Shintdi ソリューションコンサルティング部
タレントマネジメントシステムの導入を担当しています。組織の中で人財の力を引き出す方法を考え中。Cornerstone認定導入コンサルタント(LMS/EPM/SMP)、経済産業省認定ITストラテジスト。趣味は読書と合気道。
Pocket

関連記事